モノづくり図鑑
モノづくり図鑑
martinique × Oscalito
別注トップスシリーズ
洋服に寄り添い、トップスとしても着られる
大人の極上インナーウエアの新定番。

「モノ作り図鑑」って?

PROLOGUE
創業から50年、その服を装ったときの胸の高鳴りを大切に、
デザインと着心地、上質さが共存する
“モノ作り“を目指してきたメルローズ。
「モノ作り図鑑」は、そのモノを手にする方と
“ファッションへの愛“で繋がることができますよう、
モノが生まれるまでのストーリーをお伝えしながら、
想いを込めた逸品をご紹介する新連載。
第3回目は「martinique (マルティニーク )」が、
イタリアの老舗メーカーに別注した新定番、
「洋服に寄り添い、トップスとしても着られる
インナーウエア」をご紹介。

モノ作りを語る人

水口 千恵(みずぐち・ちえ)
martinique バイヤー

人気セレクトショップのバイヤー、フリーランスバイヤーを経て、2011年より「martinique(マルティニーク)」のバイヤーに。《身に着けたときに気分が上がるか》・《新鮮な気持ちになれるか》・《身に着けたシーンが想像できるか》の3つの観点を大切に、行き過ぎない女性らしさに程よく今の気分を加えた大人のシンプル&ベーシックアイテムをセレクト。建築・芸術・旅行・映画・自然・ワインからホテルまで、幅広い興味へのアンテナとセンスを活かし、近年は世界中から選りすぐったメーカーとの別注アイテム企画も担当。1児の母でもある。

モノ作りを語る人

イタリアの老舗メーカーと
取り組んだモノづくり

ミラノから車で西へ3時間。「martinique(マルティニーク)」のバイヤー・水口千恵が向かったのは、冬季オリンピックで世界に名を馳せたトリノ。現在、環境配慮の先進地としても知られるトリノは、martiniqueが10年来展開する人気インナーウエアの老舗メーカー「Oscalito(オスカリート)」の誕生の地であり、本社と工場を構える街でもあります。水口が、自信を持っておすすめしたい!と語るmartiniqueの新定番は、どのような想いのもと、どのような人々の手で生まれたのでしょうかー?

Q1. 10年来の取り組みのなかで、今回はじめて現地の工場を訪ねた理由は?

上質なインナーウエアをmartiniqueで展開したいと考えていたとき、パリの展示会で手にしたのがOscalitoのアイテムです。実は、展示会で出会うよりずっと前から愛用していて、その着心地の良さに惚れ込んでいました。コットンはもともと退化しやすい素材ではあるのですが、何回洗ってもくたびれないOscalitoの素材や仕立ては、そのうえでも別格。高い技術や専門性を感じましたし、環境に配慮した生産方法にも興味がありました。既存アイテムの展開を続けるなかで、martiniqueにしかない別注アイテムを作りたいと考えるようになり、そのお願いも兼ねて工場を見学させていただくことになりました。

martinique × Oscalito 別注トップスシリーズ
Q2. 別注アイテムを作りたいと考えたのは?

1936年創業のOscalitoは、イタリアでも信頼のある老舗インナーウエアメーカー。女性の密やかな楽しみでもある下着は、“適切な色気と着心地が大切”と私は考えていますが、Oscalitoのインナーは特に、イタリアの文化背景である“ヘルシー&セクシー(セクシーでありながら健康的)”を理想的に、高い品質で体現しています。一方でデザインは、下着の用途に特化して考え抜かれたもの。タンクトップやキャミソールは女性のマストアイテムとなっていますから、Oscalitoの素晴らしいインナーにmartiniqueらしいアレンジを落とし込み、洋服に寄り添い、トップスとしても使える現代的なアイテムを作ったら素敵でないかと考えました。

martinique × Oscalito 別注トップスシリーズ martinique × Oscalito 別注トップスシリーズ
Q3. 実際に工場を訪ねてみてどうでしたか?老舗の定番にアレンジを加える、別注を依頼したときの反応は?

Oscalitoには《QUALITY=品質》・《 ITALIANITY=イタリアらしさ》 ・《 NATURALNESS=自然の原理》 ・《 LUXURY =高級感》・《 ETHICS=倫理道徳》という、5つの素敵なキーワードがあって、キーワードに忠実なモノづくりをされていることに感動しました。製品に使用するのは最上級の天然素材のみ。その素材を生地に編み立て、縫製、パッキングまで一貫してトリノの工場で完結しているのですが、トリノの女性を雇用して地域経済にも貢献しています。環境配慮についても先進的で、裁断後に余ったハギレを100%回収し、車のシートの詰め物や防音材として再生する取り組みも。工場の稼働電力も、屋上に設置したソーラーパネルで40%をまかなっています。このほかにも、土に還るさとうきび原料のバイオマスパッケージを使用したり、タグに印刷したQRから素材の原産地をトラックできる“TRACIABLITY=追跡可能”を徹底していたりと、《 ETHICS=倫理道徳》の部分が本当に素晴らしいんですね。何より印象的なのは、働く女性たちがとても楽しそうなこと。別注依頼はもちろん、細やかな要望や調整をお願いしても嫌な顔ひとつせず、ポジティブに対応してくださいました。

martinique × Oscalito 別注トップスシリーズ
Q4. 高い品質の製品が生まれる工場の秘密は?

生地を編み立てる機械は、現在では車のイメージが強い「BENTLEY MORTERS社(ベントレーモータース社)」のもの。1950年代から大切に使っている編み機です。現代の機械のように高速でなくゆっくり編み立てるので、生地がぎゅっと詰まらずにふんわりして、伸縮性に優れた丈夫な生地が仕上がります。最上級の天然素材を使っていることもありますが、この機械は筒状に編み立てる丸胴編みなのでサイドに縫い目がなく、着心地も極上です。それだけではありません。丸胴の中心にライトを入れ、中に不純物が混じっていないか確認しながら編み立てているので、肌触りはさらに滑らかになります。その後、洗濯による伸び縮みを抑えるために洗いをかけて、スチームとプレスをして仕上げるのですが、製品になってからもう一度ライトに当て、二重の不純物チェックを経てパッキングをしています。手間や品質、素材のグレードを考えると価格の手頃さに驚きますが、全工程を自社で完結しているからこその賜物です。

Q5. martinique別注アイテムのポイントは?

1枚で着るリブコットンのタンクトップは、見えるか見えないか?の絶妙な丈感、袖や襟ぐりの形が重要。女性らしくセクシーではありたいけれど、上品な露出でないとなりません。丈が長いと下着感が出てしまうので、今らしく見せるためにボトムを履いたとき、ほんの少しだけ腰回りの肌が見えるモダンな丈にしました。バックスタイルにも拘っていて、肩甲骨が露出しすぎず、ほど良く健康的に覗くようアレンジしています。Oscalito本国でも絶賛されたのは、下着が見えないギリギリのラインまで背中をオープンにしたバックレスのタンクトップ。世界最高品質と称されるブランド綿糸 「FILO SCOZIA(フィロスコッチア)」が素材ですが、シルクのように贅沢な光沢があるので、大胆なバックオープンタイプでも品良くサマになります。透かし編みのタイプはより軽やかで、丸めるとコンパクト。春夏の旅行にもおすすめです。同じくFILO SCOZIAを使ったキャミソールは、1枚着ではなく“見えても良い優秀なインナー”としてデザインしました。肩紐のアジャスターは生地と同じ色のプラスチックが主流ですが、それでは色気がないですよね。Oscalitoに我儘を言ってイタリア中を探し回ってもらい、光り過ぎないけれども錆びすぎない、ちょうど良いアンティーク感がある金属製のものを使いました。本当に小さな部品への拘りですが、肩に少しだけ光るアクセントに、女性らしい楽しみを感じていただけると思います。

martinique × Oscalito 別注トップスシリーズ martinique × Oscalito 別注トップスシリーズ
Q6. 別注品を今年らしく見せるスタイリングは?

リブコットンのタンクトップは、1枚さっと着るだけで今っぽく見えるよう、形を追求しました。真夏なら本当にこれ1枚、デニムと合わせて自信を持って着ていただければと思います。アウターとしての1枚着を意識したアイテムなので、カラーは潔く、強めのブラック・ホワイト・カーキに。白いシャツや薄地のトップスの下に着て、うっすら透けるのが素敵だと思うインナーのキャミソールは、透け見えした時の色感が黒では強過ぎるのでチャコールグレーと、透けさせたくないときのためにライトベージュを作りました。これは、お客さまとの店頭でのお話しからヒントを得たカラーセレクト。実は、「真っ白なボイルシャツの下に何を着たら良い?」というようなインナーウエアのお悩みの声がすごく多いんですね。お客さまとお話しすることは新しいアイデアにも繋がりますから、これからもたくさん対話して取り入れていきたいです。

martinique × Oscalito 別注トップスシリーズ
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Oscalito × martinique
Exclusive Tops

martinique × Oscalito 別注トップスシリーズ
martinique × Oscalito 別注トップスシリーズ
  • Point #01
    1枚で今らしさ抜群!モダンな丈と大人の肌見せ
    1枚で今らしさ抜群!モダンな丈と大人の肌見せ

    創業より100年を超えるイタリアの老舗メーカーの定番をモダンにアレンジ。着るだけで今らしく見える秀逸のカット&丈。

  • Point #02
    シームレスに編み立てた最高グレードの天然素材
    シームレスに編み立てた最高グレードの天然素材

    徹底して不純物を取り除いた最高グレードの天然素材を、縫い目のない丸胴に編み立て。この上ない極上の肌触りで毎日着たくなる。

  • Point #03
    女性らしい楽しみを感じる拘りのディテール
    女性らしい楽しみを感じる
    拘りのディテール

    イタリア中を探し回って見つけた金属製のアジャスターは、ありそうでなかなかない女性らしいアクセント。重厚感あるタグデザインも密かな楽しみに。

martiniqueバイヤー・水口のOscalito工場レポートはこちら

ABOUT BRANDS

  • martinique(マルティニーク)

    martinique(マルティニーク)

    martiniqueとは、カリブ海に浮かぶフランス領の小さな島。未知の場所へ旅に出たときの心地よい緊張感や高揚感、同時に出会う新しい発見。そんな旅に出た時のような気持ちを感じさせてくれる刺激と心地よさを感じられる場所。カジュアルなデニムからハイブランド、そしてヴィンテージなど世界中から集められた良品の数々。さまざまなエレメントが散りばめられたマルティニークは、好奇心を忘れない知性を感じる大人のためのセレクトショップ。フレンチシック、トラッドをベースにしながら、クリーンで洗練されたタイムレスなスタイルを提案していきます。

    martinique OFFICIAL WEB SITE
  • Oscalito(オスカリート)

    Oscalito(オスカリート)

    1936年、イタリア・トリノで創業したインナーウエアブランド。「アンダーウェアは人間にとって第二の肌」というポリシーを掲げ、徹底的な素材リサーチのもと、エジプト綿、ウール、シルクなど天然素材に拘ったデザイン性高いインナーウエアを展開。環境配慮の先進地・トリノで、エコ認定されたリテイラーしか出店することのできない新デパート「Green Pea(グリーンピー)にも店舗を構えるなど、地球・社会・地域への貢献を忠実に実現しながら、自社工場で生産を完結していることでも知られる。

50年つづくDNA

メルローズのモノ作りとは

真のモノ作り精神で、真価のある商品を創造し、真のサービスを通じて、真の感動をお届けする。
1973年の創業から50年、メルローズは新しい技術を取り入れながら、変わらぬ「モノ作りのDNA」を継承しています。

  • デザイナーの想いをカタチに
    デザイナーの想いをカタチに

    その服を装った時の高揚感を大切にするデザイナーのインスピレーション、伝えたい想いをどこまで忠実に形にできるか。服を形造るすべてのディテールへの拘りが、デザイナーの描く理想に仕上がるよう、メルローズでは50年間、デザイナーと生産チームが密にコミュニケーションし、作り直しを何度も重ねて1着を完成させています。

  • 伝統技術とテクノロジーの融合
    伝統技術とテクノロジーの融合

    手刷りで何度も色を重ねて仕上げる捺染プリント、熟練の職人が常に機械の調子を見ながら編み立てる吊り編み天竺。手仕事でしか生まれない風合いを大切に、メルローズでは服作りの伝統技法を変わらず採用しながら、機能性素材や環境素材、現代だからこそできる技法を組み入れ、”新旧技術”の融合を意識した服作りをしています。

  • すべての作り手たちとの絆
    すべての作り手たちとの絆

    生地だけでなく、40以上もある服のパーツ、縫製、お届けするパッケージやタグまで。服作りに必要な素材の開発、その生産過程を担うメーカーや工場との絆は、良質な服を作るためには欠かせません。メルローズは関わるすべての人々との絆を尊重し、品質に終わらず、服に宿る「作り手の想い」をお届けできる生産環境を大切にしています。