モノづくり図鑑
モノづくり図鑑
PLAIN PEOPLE
古着から生まれたPLAIN PEOPLEの
アップサイクルTシャツ
お客さまが長く大切に着てくださった洋服を回収し、
その愛着を紡ぎ直して生まれたPLAIN PEOPLEの
アップサイクルTシャツ。

「モノ作り図鑑」って?

PROLOGUE

創業から50年、その服を装ったときの胸の高鳴りを大切に、
デザインと着心地、上質さが共存する
“モノ作り”を目指してきたメルローズ。
「モノ作り図鑑」は、そのモノを手にする方と
“ファッションへの愛”で繋がることができますよう、
モノが生まれるまでのストーリーをお伝えしながら、
想いを込めた逸品をショウケースする連載。

第4回目は「PLAIN PEOPLE(プレインピープル)」より、
できるだけ環境に負荷をかけないモノ作りを目指す
「MELROSE GREEN PROJECT」に賛同し、
お客さまが長く大切にしたお洋服から再生した
アップサイクルTシャツをご紹介。

モノ作りを語る人

PLAIN PEOPLE企画

“ピュアにシンプルに自然体で心地よく生きる そんな人間でありたい”をテーマに誕生した衣食住のライフスタイル提案型コンセプトショップの「PLAIN PEOPLE(プレインピープル)」。お客様のこともブランドのことも良く知る、デザイナーとマーチャンダイザーはプレインピープルのスタートからのメッセージを大切にし続けている。

モノ作りを語る人

2年をかけ“愛着ある洋服”を
紡ぎ直して作ったTシャツ

メルローズが掲げる「MELROSE GREEN PROJECT(メルローズ グリーンプロジェクト)」は、できるだけ環境に負担をかけないモノ作りを目指し、持続可能な社会の実現を目指すメルローズの環境配慮への第一歩。自主回収したデニムから紙を作ったり、土に還るバイオマス素材のパッケージを採用したりー。立ち上げまで試行錯誤を繰り返し、メルローズ創立50周年を機に「ただ環境負荷を減らすだけでなく、お客さまにも喜んでいただけること」を新たなプロジェクトの目標に加えて本格始動しました。プロジェクトチームでは、さまざまな取り組みのアイデアを社内のブランドに提案していますが、コストや工程面のハードルがまだまだ高いサスティナブルな取り組み。そんな中プロジェクトに参加し、アップサイクルTシャツを発売する「PLAIN PEOPLE(プレインピープル)」に、Tシャツに込めた想いや生産の拘りをインタビューしました。

Q1. PLAIN PEOPLEがMELROSE GREEN PROJECTに参加したきっかけは?

サスティナブルなモノ作りは、ブランドとして長く意識してきたことのひとつ。ブランドロゴとして使っている「∞(無限)」のマークには、持続可能の意味も含まれています。今回、MELROSE GREEN PROJECTから提案されたのは、「お客さまのクローゼットに眠るお洋服を回収し、環境に配慮した生地に作り直して*アップサイクル商品を生み出す」というアイデア。回収〜製品化の工程に2年かかる根気勝負のアイデアでしたが、PLAIN PEOPLEは10年以上の長い間、お洋服を大切にしてくださるお客さまが多いブランドです。賛同してくれるお客さまのお顔をすぐに思い描くことができました。お客さまが長く大切に着てくださったお洋服を活かし、次の10年も大切にしていただけるお洋服につなげたい気持ちもあり、参加しました。
*アップサイクル=廃棄予定のものに手を加え、新しく価値のある商品に生まれ変わらせること

PLAIN PEOPLEアップサイクルTシャツ
Q2. プロジェクト一環として発売するPLAIN PEOPLEのTシャツは、どのような工程で生地をアップサイクルしていますか?

まず、お客さまのクローゼットに眠っているお洋服、いつか捨てられてしまうお洋服に目を向け、年2〜3回ほど店頭で古着の回収を行います。回収したお洋服は天然繊維と合成繊維に仕分け、異物の混入がないかなどもチェック。ファスナーやボタンなどの付属品を取り外してから生地を細かく粉砕し、仕分けをして再生糸の原料を作っています。これにヴァージンコットンを混ぜて、糸にしていくんです。ヴァージンコットンとは、「落ち綿」のこと。そのヴァージンコットンとリサイクルコットンを混合し、丸編み機で編み上げ、アップサイクルコットンならではの柔らかい風合いの生地が誕生します。MELROSE GREEN PROJECTでは編み上がった生地の染色工程も、できる限り環境に配慮するよう心がけています。通常より水の使用量が少ない機械で染め上げますが、お願いしている工場ではさらに、使用した水を再利用できるよう工場内の循環システムで処理しています。モノ作りの工程のひとつひとつに、環境への想いを込められるブランドであり続けたいと思っています。

PLAIN PEOPLEアップサイクルTシャツ
Q3.今回、アップサイクルした生地をTシャツにしようと思ったのはなぜですか?

回収したお洋服から作るアップサイクル生地は、集めたお洋服の素材に原料を頼るので、生地の佇まいがその時々で変わってきます。
染色をしない場合、糸の色のニュアンスも変わります。こういう生地を作ろう!というのではなく、出来上がった生地から商品を着想するほうが向いている生地なんですね。今回の古着の店頭回収の取り組みで仕上がった生地は、薄すぎず、カチカチとした硬さもない良質な生地。Tシャツにするのが一番合っている、と感じました。サスティナブルの概念が先進しているヨーロッパでは「リサイクルアイテムだから買う」というお客さまが多いのですが、日本ではまだこれから。手に取りやすく、日々のコーディネイトにも取り入れやすいシンプルなTシャツなら、製品をきっかけにPLAIN PEOPLEの取り組みを広く知っていただけたり、プロジェクトに興味を持って一緒に環境配慮に取り組んでいただけたりするのではないか、と思いTシャツに決めました。

Q4.Tシャツの背中に刺繍された"YOU ARE WHAT YOU EAT."に込めたメッセージは?

直訳すると「あなたは、あなたの食べたものでできている」ー。PLAIN PEOPLE青山店のディスプレイの鏡にずっと書いてある、大切な言葉です。自分の成長は自分次第、自分がどうなるかは自分のしてきたことで決まる、という意味の諺(ことわざ)ですが、PLAIN PEOPLEでは「あなたは何を買って自分を表現しますか?」というブランドメッセージも込めています。そのモノを買う意味、使う意味を考えるお客さまが増えている現代、お客さまが大切にしてきたお洋服を再生して生まれたこのTシャツにピッタリだと思い、背中にさりげなく刺繍で表現しました。

PLAIN PEOPLEアップサイクルTシャツ
Q5.お洋服の回収〜製品化まで2年かかる長いプロジェクト。お客様の反応は?

回収してから生地になるまで、さらに商品になるまでにはもっと時間がかかる長期プロジェクトですが、楽しみにお待ちいただいているお客さまが多く、嬉しい限りです。PLAIN PEOPLEのお客さまは、環境やサスティナビリティに向き合っている素敵な方が多いのだと改めて感じます。店頭回収のために古着を持ってきてくださる時も、とても大切に持ってきてくださって。本当に長い間、愛着を持って着てくださったのだなと、強く感じました。皆さんのお洋服への愛情、環境への愛情を紡いで生まれたアップサイクルのTシャツ。長い間お待ちくださった皆様が袖を通してからも、気に入って頂けることを願っています。

MORE

MELROSE GREEN PROJECT
×"YOU ARE WHAT YOU EAT."

アップサイクルTシャツに込めた大切な想い
PLAIN PEOPLEアップサイクルTシャツ
  • Point #01
    お客様の大切な服を店頭で回収
    お客様の大切な服を店頭で回収

    年2~3回ほどPLAIN PEOPLEでお客様の古着回収をしています。お客様が大切に持ってきてくれるお洋服を直接受けとることが出来るのも有難いことです。

  • Point #02
    Upcycle Cotton
    Upcycle Cotton

    土に還ることができる「天然素材」。「天然素材」にこだわってアップサイクルコットンを作っています。

  • Point #03
    大切なプレインピープルのメッセージ
    大切なプレインピープルのメッセージ

    "YOU ARE WHAT YOU EAT."は直訳すると、"あなたは、あなたの食べたものでできている"。自分の成長は自分次第、自分がどうなるかは自分のしてきたことで決まる、という意味になることわざです。

MELROSE GREEN PROGECTはこちら

*Soffitto、LOGEMENT DE CLAIREも参加しています。

ABOUT BRANDS

  • PLAIN PEOPLE(プレインピープル)

    PLAIN PEOPLE
    (プレインピープル)

    衣食住のライフスタイル提案型コンセプトストア、プレインピープル。リラックス感と美しさをあわせもつオリジナルブランドの洋服と国内外からセレクトしたモードなファッション雑貨、アートなインテリア小物、そして美味しく体にやさしいこだわりの醗酵調味料。
    ご自分やご家族、ご友人のための素敵なプレゼントがきっと見つかるオールジェンダー、オールエイジ向けの新しい感覚のお店です。

    PLAIN PEOPLE OFFICIAL WEB SITE
  • MELROSE GREEN PROGECT

    MELROSE GREEN PROGECT
    (メルローズグリーンプロジェクト)

    持続可能な社会を目指し、出来るだけ環境に負荷をかけないモノ作りを目指す取り組み“MELROSE GREEN PROJECT”。
    衣料廃棄や生産過程で環境に与えるダメージが再考されるなか、環境負荷を減らすだけでなく、取り組みを通しお客さまに笑顔を届けることを目標に、メルローズは活動しています

    MELROSE SUSTAINABILITY

50年つづくDNA

メルローズのモノ作りとは

真のモノ作り精神で、真価のある商品を創造し、真のサービスを通じて、真の感動をお届けする。
1973年の創業から50年、メルローズは新しい技術を取り入れながら、変わらぬ「モノ作りのDNA」を継承しています。

  • デザイナーの想いをカタチに
    デザイナーの想いをカタチに

    その服を装った時の高揚感を大切にするデザイナーのインスピレーション、伝えたい想いをどこまで忠実に形にできるか。服を形造るすべてのディテールへの拘りが、デザイナーの描く理想に仕上がるよう、メルローズでは50年間、デザイナーと生産チームが密にコミュニケーションし、作り直しを何度も重ねて1着を完成させています。

  • 伝統技術とテクノロジーの融合
    伝統技術とテクノロジーの融合

    手刷りで何度も色を重ねて仕上げる捺染プリント、熟練の職人が常に機械の調子を見ながら編み立てる吊り編み天竺。手仕事でしか生まれない風合いを大切に、メルローズでは服作りの伝統技法を変わらず採用しながら、機能性素材や環境素材、現代だからこそできる技法を組み入れ、”新旧技術”の融合を意識した服作りをしています。

  • すべての作り手たちとの絆
    すべての作り手たちとの絆

    生地だけでなく、40以上もある服のパーツ、縫製、お届けするパッケージやタグまで。服作りに必要な素材の開発、その生産過程を担うメーカーや工場との絆は、良質な服を作るためには欠かせません。メルローズは関わるすべての人々との絆を尊重し、品質に終わらず、服に宿る「作り手の想い」をお届けできる生産環境を大切にしています。