【GUEST#07】
中川清美さん
- 贈り主:
- INGEBORG
- セレクトしたギフト:
- INGEBORG x 育てるタオル
40TH プリザーブドフラワー
INGEBORGからの
“ありがとう”のギフトは・・・
1983年のブランドスタートから、今年で40周年を迎えたINGEBORG。アニバーサリーのキービジュアルにするならこれ以外ない!と決めていたブランドの象徴・クチナシの花の描き手を探すなか、“言葉にできない直感的な親和性”を作品に感じて依頼したのが、イラストレーターの中川清美さんでした。
中川さんのために選んだギフトは、INGEBORGが40周年を記念し「育てるタオル」とコラボレーションしたプリザーブドフラワー。中川さんがイラストを描いてくださったクチナシの花をボックスいっぱいに詰め込んだ、職人さん手作りの特別なアイテムです。お花を喜ばない女性はきっといないはず・・・ですがー?
―中川さんに描いていただいだ“クチナシの花”をどうしてもギフトしたくて。喜んでいただけましたか?
あまり生活感のない生活をしているので、生活にうるおいを与えるようなモノが身の回りにありません。そういうのもありプリザーブドフラワーをいただいて、ただただ驚きました!
―ギフトされたら戸惑われるだろうとも思ったのですが、こちらはプリザーブドフラワーといって、水やりなしで長く楽しめるお花なんですよ。ぜひ飾る場所を見つけて楽しんでいただけたら。
本当に何もしなくてもずっとこのままなのでしょうか?(笑)長く楽しめるか自分なりにも考えてみたいと思います。
―40周年記念展のときは、描いてくださったクチナシのイラストで素敵なアクセサリーを手作りして、スタッフにギフトしてくださいました。一同大歓喜でしたが、誰かにギフトをするのも苦手ですか?
プレゼントをもらうことは苦手ですが、受け取っていただく方のことを考えながら、プレゼントをすることは好きです。
―いただいたアクセサリーだけでなく、40周年のコラボレーションで発売したアクセサリーも、中川さんの手作りでした。ひとつひとつ表情を変えて、世界に一点しかないものにしてくださって。アクセサリー講師もされていますが、表現の幅をアクセサリーにも広げたのはどうしてですか?
文化服装学院を卒業して、イラストレーターの道に進みましたが、卒業後に文化服装学院のアクセサリー講義でお世話になった(PINK HOUSEのコサージュを作っている)アトリエ染花の坂本先生との再会が、自分のアクセサリー作りのきっかけでした。坂本先生の助手をすることになって、イラストレーターとアクセサリー作家の両方の道を歩むことになりました。
もう二度とないと思っていた
突然のイラストレーションの依頼
―INGEBORGからキービジュアルのイラストレーション依頼があったとき、どのように感じましたか?
どうして?!とびっくりしました(笑)。実は10年ほど前に、関連ブランドのPINK HOUSEさんからお仕事をいただいたことがあるんです。PINK HOUSEとINGEBORGというブランドを始められた金子功さんは、80年代、学生であった者からすると雲の上のような存在。PINK HOUSEのお客さまからしてみたら、(自分の絵は)ブランドイメージと違って感じられるのでは…と思いふけり、今回またINGEBORGのお話をいただいたときには、有難くもあり、とても驚いたのが正直な感想です。
―そうなんですか!INGEBORGのキービジュアルが中川さんに決まったとき、PINK HOUSEチームが昔のイラスト資料を持ってきてくれて「前はこんなのを描いてくれたんだよ。中川さんなら完璧だね」と。
INGEBORGは、昨今になるまでコラボレーションそのものをほとんどしていなかったんです。40周年を迎え、41年目からはこれまで出会った方とのご縁を大切に、もっと一緒にブランドの未来を創っていきたいと考えています。
金子功さんがたどった、文化服装学院とセツ・モードセミナーで学び、両学校の恩師から、PINK HOUSEやINGEBORGについてお話を聞く機会がたくさんありました。金子さんに直接お会いしたことはありませんが、大先輩でとても尊敬している方です。ですから、またご一緒できれば嬉しいです。
INGEBORGの大切な花・クチナシ
それぞれが感じた思い
―INGEBORGにとって、キービジュアルのクチナシはとても重要なモチーフです。クチナシのイラストレーションを描くとき、表現したかったことや大切にしたことはありますか?
クチナシにしても、INGEBORGのもうひとつの象徴・カメリアにしても「白」。白をどうやって、色を感じるように描くかー?40周年の特別感、華やかな感じを出したいなあ、という風にも考えていました。最初はクチナシのブーケを描いて欲しい、というご依頼でしたので、もちろんその通りにしたいし、しなくてはいけないんだけれど、白いお花のブーケよりも、一輪の花のほうがINGEBORGのコンセプトに合うと思いました。
―中川さんが数パターンのイラストレーションを持ってきてくださって、一輪こそがINGEBORGの象徴だ!と、一同が一目で共感しました。ブーケじゃなく一輪を使いたいと言ったときの、中川さんの「良かった」という表情は忘れられません(笑)。
―実はキービジュアルにクチナシを選んだのは、特別なエピソードがあったからです。金子先生がまだブランドにいる頃、今も働く昔からのスタッフが、「なぜクチナシをよくモチーフにするのか?」金子先生に聞いたことがあります。そしたら「旅情だよ」って。キャサリン・ヘップバーンの恋の映画なんですが、観たことはありますか?
もちろん観たことがあります。
―劇中では、恋することで女性として解放されていく主人公ジェーンの姿を、クチナシの花に込めて表現しています。中川さんが、旅情に登場するクチナシから感じ取ったことはありますか?
クチナシそのものから何かを、というより、金子さんには明確な理想像がおありになったのだな、と。それがあって、あんなに強くて、優しい大人の世界観をつくられた。本当にすごい方だなと思います。
―はい。それでも皆さんに支えられて、INGEBORGは40周年、ブランドを運営するメルローズは50周年を迎えることができました。一つのことをずっと続けていく、という意味では、中川さんも同士になりますが、長年表現を続けるなかで変わらず大切にしてきたこと、変容したことはありますか?
すべてのモノは少しずつ変化するものです。だからこそ、作品づくりに関しては、いつもピュアな気持ちで向き合い、作品が少しでも時代とともに成長できたらと願うばかりです。
一生懸命だけど大仰なことは考えない
描いた先のことはブランドに託していく
―41周年、というのも不思議な聞こえになりますが、2024年の春夏は中川さんとの再コラボーレーションが決まっています。40周年のコラボレーションアイテムは、追加が必要なほど人気でしたが、次回のコラボレーションでは、手に取った方にこういうメッセージを届けたい、というのはありますか?
大仰なことは考えていません。私の仕事は絵を描くことですが、お仕事をいただいた方の想いも大切にできる作品づくりに努めています。お渡しした絵をクライアントさまが、その先のモノづくりにおいて、どんな風に育ててくださるかを楽しみにしています。
―前回はキービジュアルが決まってから、どんなアイテムがイラストに合うのかを考えました。クチナシが白かったので、黒やグレーにもプリントしてみましたが、やっぱり中川さんの白いクチナシを一番印象的にするのは白いキャンバス。白地に白い花のプリントを表現するために、調整を重ねました。プレッシャーはありますが、中川さんにも皆さんにも喜んでいただけるよう第二弾も頑張ります。
とても楽しみにしています!